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バリ島タンブリンガン湖のアカタテハ

バリ島タンブリンガン湖の湖畔で見つけたアカタテハについて、今年、蛹の写真が撮影出来たので、幼虫・蛹・成虫と、卵を除くステージがそろったので、画像を紹介します。


インドネシアのアカタテハは、高標高の場所に生息すると言われていたので、初めて見た時はアカタテハだと気付かず、見たことのないタテハモドキの仲間だと思っていた。
気付いたのは帰国してからで、この裏面の写真を見ていたら、アカタテハに似ていると思ったのがきっかけだった。


翌年、同じ場所でイラクサの仲間を見つけ、巣のようなものが付いていたので開いてみた。


葉や茎に長い棘があり、振れると相当痛いが、注意深く開いてみると、その一つの中に真っ黒な幼虫が見つかった。
全体の形は、日本産のアカタテハによく似ている。
今年もタンブリンガン湖を訪れた際に、カラムシについている巣を開けたところ、緑色で弱い金属光沢のある蛹が見つかった。
この時は、前蛹状態の幼虫もいたので、成虫の時期の直前に当たると思われた。


巣の中に見つかった蛹。
その後、知人の蝶屋さんに連絡したところ、成虫と蛹の羽化殻がほしいと、連絡が入ったので再度同地を訪れた。
あらためて探してみると、蛹は簡単に見つかったので、数は少なくない印象を持った。


食草のカラムシ科の植物、葉や茎の表面に、かなり長く鋭い棘があり、これに触れると強く鋭い痛みが走る。
Web検索をかけたところ、カラムシ科のUrera属のものによく似ている。
種名は確定出来ていない。
他の場所では見たことがないので、バリ島内の分布は限られていると思う。


基本的な斑紋はアカタテハだが、日本産のものと較べて、かなり小型で、赤い帯が白帯になる。
部分的にごく薄い赤味が出るが、かなり地味な印象の蝶だ。

タテハチョウ科
スンダアカタテハ原亜種 Vanessa  dejeanii  dejeanii  Godart,1824)
分布:Java

スンダアカタテハ小スンダ亜種 Vanessa  dejeanii  sumbaluna  Fruhstorfer,1908
分布:Bali・Lombok・Sumbawa

スンダアカタテハ フィリピン亜種 Vanessa  dejeanii  mounseyi  (Talbot,1936)
分布:Philippines・Mindanao・Samar
現在ジャワからフィリピンにかけて分布が判明していて、三つの亜種に分類されているようだ。
原亜種はジャワ島、小スンダ亜種がバリ島・ロンボク島・スンバワ島、フィリピン亜種がミンダナオ島とサマール島から記録されている。

ジャワ島では分布は活火山に限られ、2,500m以上の高標高に生息するようだが、バリ島では、せいぜい1,000数百mと行ったところ。
ジャワ島では孤立した個体群が、山ごとにいくつか知られており、若干の地域差が見られるという。
亜種名から見ると、ロンボク島のスンバルン村に由来するように思えるので、リンジャニ山の中腹にあたり、それほど高地ではないように思う。
ロンボク島のリンジャニ山は活火山だが、バリ島のタンブリンガン湖は、火山由来とは言えかなり古いもので、現在、火山活動は見られない。

ちなみにアカタテハ属をまとめた文献が、Webに公開されている。
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